Vol.1  「新型コロナの検査のいろいろ」

2021年1月15日 更新 Cellspect Co., Ltd

 現在、さまざまな新型コロナの検査が行われています。検査には大きく分けて、ウイルス検査と抗体検査の2種類があります。ウイルス検査は、PCR検査や抗原検査などがあり、このウイルスに現在感染しているかどうかを調べることができます。抗体検査は、過去にこのウイルスに感染したことがあるかどうかを調べることができる検査です。 それでは、もう少し、詳しく理解を深めていきましょう。

 

<ウイルス検査>

PCR検査

 新型コロナウイルスは“RNA”という物質(設計図)を持っています。このRNAはウイルスの種類によって異なり、そのウイルス固有のものです。PCR検査とは、このRNAを調べるための検査方法です。唾液や咽頭ぬぐい液のような体液中に新型コロナウイルスのRNAが見つかると、そのウイルスが見つかったということになり、「PCR陽性」という診断になります。  

 この検査はウイルス固有のRNAを見つける方法なので、非常に正確であると言えます。しかし、検査するためには専門の検査技能を持っている人じゃないと簡単に測定できません。また、判定結果を得るためには数時間も必要なので、たくさんの人に提供するためには、大きな費用と、時間がかかります。

 

抗原検査

 PCR検査ではウイルスのRNAを調べるのですが、抗原検査ではウイルスのタンパク質(抗原と呼ばれる)を調べます。RNAと同じように、「抗原」もウイルスの種類によって異なり、固有のものです。抗原検査はPCR検査に比べて、感度(陽性者を見つける能力)が高くないため、偽陰性(陰性と判定されたけど実は陽性)となる場合があります。しかしながら、抗原検査の利点は、検査費用が安く(数千円)、高度な技能を持っていない人でも検査することができます。また、いくつかの迅速な抗原検査キットが開発されており、いずれも15分から30分以内に結果を得ることができます。感染のピーク状態の体内で抗原の濃度が最も高いことがわかってきました。抗原検査で結果が「陽性」であった場合は、ほぼ確実に陽性といえますが、「陰性」となった場合は偽陰性(陰性と出たけど実際は陽性)である可能性が高いことに注意が必要です。我が国のガイドラインでは抗原検査で陽性の場合は、そのまま陽性と診断できますが、陰性となった場合は、陰性であるという証明にはならない点に気をつけなければなりません。多少の漏れはあるかもしれませんが、直ちにPCR検査ができる状況にない状況において、一刻も早く陽性者を見つけ出すためには現実的で有効な検査法です。

 

抗体検査(血清学的検査)

 病気の原因となるウイルスが体内に侵入すると、これを除去するための身体の機能として、「免疫」が働きます。免疫とは、「抗体」というタンパク質をウイルスにぶつけて、ウイルスの活動を止めます。「抗体」はウイルスの種類に合わせて作られるので、新型コロナウイルスに対する抗体が体内にあるのかないのかを調べれば、過去に感染したかどうかを知ることができます。さて、抗体は発症したばかりの時はまだ十分に作られていないため、検査では見つかりません。セルスペクト研究チームと連携医療機関との研究結果によると、新型コロナウイルスの抗体は発症してから1~2週間経過して現れ始めることがわかってきました。また、CDC(米国疾病対策センター)からも類似の報告がされています。

 多くの抗体検査キットは、指先から採取した1滴の血液を用いて検査し、数分で結果が得られます。抗体検査は過去に感染したかどうか(少なくとも発症14日から3-5ヵ月の期間)、抗体反応があるか否かを知ることができるので、ワクチンで獲得した免疫の持続性を判定することに使える可能性があります。また、微量の血液で手軽に検査できるので、ウイルス検査ができない場合で、且つ感染後の経過期間を仮定できる場合においては、抗体検査を感染の評価方法として応用されるケースも報告されています。この条件の例としては、発症3日で感度0〜30%、発症7日で感度30〜60%、発症14日で感度80〜100%のように相次いで報告されています。抗体検査は、その性質を理解して使用することで、様々なシーンでの新型コロナウイルス感染症を知るための研究に活用されています。

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*結果が偽陽性や偽陰性となる可能性があることに注意が必要

ウイルス検査が陰性であれば、サンプルを採取した時点ではおそらく感染していなかったということになります。陰性であったからと言って、今後発症しないとは言えず、単に検査時にウイルスを保有していなかったという意味でしかありません。 抗原検査での陰性は、ウイルスタンパク質が検出されなかったことを意味します。抗原検査の偽陰性率が高いため、結果陰性であった場合は、確認のためにPCR検査をするようにガイドラインにて勧奨されている。

 引用文献:​

  1. HORIZON The EU Research & Innovation Magazine: https://horizon-magazine.eu/

  2. U.S. Food and drug administration: https://www.fda.gov/

  3. World Health Organization: WHO https://www.who.int/

  4. Centers for Disease Control and Prevention: https://www.cdc.gov/

  5. Texas Health and Human servicess: https://hhs.texas.gov/

  6. Kazuo.I et al, Antibody response patterns in COVID-19 patients with different levels of disease severity—Japan, preprint, doi: https://doi.org/10.1101/2020.11.20.20231696;

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