Vol.43  「新型コロナ、インフル、RSの検査キット、一般市場に登場」

2022年6月10日 最終更新 セルスペクト(株)科学調査班編集

 新型コロナウイルス、インフルエンザ、RSウイルスの感染を同時に調べられる市販の検査キットが4月16日、米国食品医薬品局(FDA)から緊急使用許可を受けた。季節性感染症「インフルエンザ」と、夏風邪の原因である「RSウイルス」用の検査キットが、一般市場販売されるのは初めて。開発者は、米国の臨床検査受託会社LabCorp(ラブコープ)社。

 

 このキットは、処方箋なしで、ネットか薬局で購入可能。採取した鼻腔ぬぐい液を郵送すれば、検査所到着後1~2日で、オンライン上に結果が出る。検査は、PCR検査で行う。
2歳以上から使用でき、18歳未満は保護者の管理下で鼻腔ぬぐい液を採取する。デルタ株やオミクロン株などの変異株の感染も調べられるという。


 「インフルやRS用の検査キットは、病院では以前から使用されていた。新型コロナの感染拡大による市販の検査キットの普及が、今回の承認を促した」と、FDA医療機器・放射線保健センター (Center for Devices and Radiological Health)長のJeff Shuren(ジェフ・シュレン)氏は話す。
 検査キットの精度や利便性が格段に向上し、使用法が一般消費者に浸透したことで、インフルエンザやRSウイルス向けの製品も市場に開放されたとみる。

 

 このキットがあれば、どの感染症にかかったかを自分で確認でき、医療機関を受診するかの判断材料になる。風邪や軽症の場合は、自宅療養を選択する人もいるため、医療機関や保健所の業務逼迫を防げる。


 また同社は同日、指先血から糖尿病のリスクを調べられる検査キット「Diabetes Risk (HbA1c) At-Home Collection Test」を発売した。少量の血から、赤血球中の色素ヘモグロビンの一種「HbA1C(ヘモグロビン・エーワンシー)※」の割合を計測できる製品で、

早期発見と糖尿病患者の自己管理が容易になる。

 

※赤血球中の色素「ヘモグロビン」と糖が結合したもの。この割合は、食事の前後で変わる血糖値と異なり、過去1~2カ月の血糖値の平均が反映されるため、多くの糖尿病外来で導入されている。

 

 

 新型コロナへの予防意識の高まりから、手軽で実用的な自己検査キットが進化し、これまで病院でしか受けられなかった検査が自宅でもできるようになった。
 検査キットの使用が一般化すれば、病院の業務逼迫を防ぎ、医療費削減を促せる。また、新型コロナ以外の感染症が登場した時、感染予防や早期収束に大いに役立つだろう。
 

 引用文献:​

  1. May 16, 2022, “Coronavirus (COVID-19) Update: FDA Authorizes First COVID-19 Test Available without a Prescription That Also Detects Flu and RSV”. FDA News Release

  2. Kathleen Doheny, May 18, 2022, “FDA Approves First COVID-Flu-RSV Home Test”. WebMD.

  3. May 16, 2022. “Labcorp Launches First-of-its-kind At-home Collection Device for Diabetes Risk Testing” businesswire

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