今は夜明け前の暗闇か:

現在のCOVID-19ワクチンクイックガイド

2021年1月15日 最終更新 Cellspect Co., Ltd

 新年早々、COVID-19の死亡者数が2020年のどの時点よりも多く増加している。これまで世界で確認されたCOVID-19の感染者は91,717,000人を超え、その内死亡者は1,965,000人を超えた。米国のCOVID-19による死亡者数は、1月12日に過去最高の4,327人に達した。同日、日本政府は2回目の緊急事態宣言を11都道府県に拡大し、すべての外国人の入国を停止した。

​ この「ひどい」数は今冬も続く可能性が高いが、好転する日が近づいている、と米国FDAワクチン委員会メンバーDr. Paul Offit氏は述べた。同氏によると、ワクチン接種拡大と気候が温かくなることで「劇的改善の」夏をもたらす可能性があるという。2020年には何十ものコロナウイルスのワクチンが臨床試験に入り、現在いくつかのワクチンがさまざまな国で緊急使用認可を受けている。つまり、ワクチンの開発者が安全性と有効性に関するデータを収集し続けているなか、一般の人々にもワクチン投与が可能な状況になっている。以下は、現在世界中で使用されているCOVID-19ワクチンのクイックガイドである。

 

Pfizer-BioNTech

Pfizer-BioNTech共同開発のワクチンは、3週間の間隔をあけて2回接種すると、95%のCOVID-19予防効果があると報告されており、-70℃で保管する必要がある。英国、アルゼンチン、チリ、シンガポール、EU各国で緊急使用が許可されている。また、バーレーン、カナダ、サウジアラビア、スイスはこのワクチンを完全承認した。このワクチンは、コロナウイルスのスパイクタンパク質(ウイルスの表面から突き出た構造で、ヒト細胞への感染時にこれを使って細胞に侵入する)をコードするmRNAに基づいている。ワクチンが体内に入ると、ヒト細胞にこのタンパク質を作るよう指令し、免疫系は作られたタンパク質を認識し攻撃することを学習する。

 

Moderna 

米国バイオテクノロジー企業Moderna社が開発したワクチンもmRNAをベースにしており、COVID-19の予防に94.5%の効果があると推定されている。Pfizer-BioNTech社ワクチン同様2回接種するが、間隔は3週間ではなく、4週間である。もう一つの違いは、Modernaのワクチンが-20℃で保管できることだ。Modernaのワクチンは、昨年12月にFDAが、また今年1月にイスラエルとEUが緊急使用許可をした。また12月23日に、カナダがこのワクチンの使用を全面承認した。

 

Oxford-AstraZeneca

Oxford-AstraZenecaが開発したワクチンの初期の解析によると、28日間隔で、全量ワクチンを2回接種した場合の有効性は約62%であり、半量投与後に全量の2回投与を行った患者での有効性は90%であった。英国とアルゼンチンは12月下旬、インドとメキシコは1月に緊急使用を許可した。チンパンジーに自然に感染する一般的風邪ウイルスのアデノウイルスを弱毒化したものがワクチンに使われている。研究者たちは、ヒト細胞では複製できないようにウイルスを改変し、コロナウイルスのスパイクタンパク質をコードする遺伝子を追加した。ワクチンが体内に入ると、細胞内に侵入し、これらのスパイクタンパク質遺伝子を放出する。これら遺伝子を使いスパイクタンパク質が作られる。作られたスパイクタンパク質は免疫応答を引き起こす。

 

Beijing Institute of Biological Products (北京生物製剤研究所)

中国国営のChina National Pharmaceutical Group(中国医薬集団)Sinopharm、およびBeijing Institute of Biological Products(北京生物製剤研究所)は、不活化コロナウイルス(SARS-CoV-2を改変し増殖できないようにしたもの)からワクチンを開発した。Sinopharmは昨年十二月下旬、このワクチン 「BBIBP-CorV」 の有効性が79%を超えると発表した。アラブ首長国連邦は、BBIBP-CorVを9月に緊急使用許可し、12月にワクチンを全面承認した。バーレーンと中国も12月にワクチンを全面承認し、エジプトは1月に緊急使用を許可した。ワクチンは3週間の間隔で2回接種する。

 

Sinopharm (武漢生物製剤研究所)

Wuhan Institute of Biological Products(武漢生物製剤研究所)が開発した2つ目のSinopharmのワクチン候補も、不活化コロナウイルスをベースにしている。このワクチンは中国とアラブ首長国連邦で緊急使用が認められているが、その有効性についてはほとんど分かっていない。

 

CanSino 

CanSino Biologics社はBeijing Institute of Biotechnologyと共同で、チンパンジーではなくヒトに自然感染する弱毒化アデノウイルスを用いて、COVID-19ワクチンを開発した。ワクチンの後期臨床試験は現在も進行中であり,その有効性はまだ不明である。投与は1回である。中国軍が2020年6月にCanSinoワクチンの使用を承認した。

 

Sinovac 

中国企業Sinovac社は、SARS-CoV-2を不活化したワクチン 「コロナバック」 を開発した。このワクチンは14日間隔で二回接種するもので、中国は7月に緊急使用を承認した。ブラジルのニュースメディアEstadãoによると、ブラジルで実施されたある臨床試験では、一部の患者グループではワクチンの有効性が約78%であったが、全ての患者での有効性は63%近辺であった。

 

Bharat Biotech 

インド企業Bharat Biotech社は、インド医学研究評議会および国立ウイルス学研究所と共同で不活化コロナウイルスから、「コバキシン」と名付けられたワクチンを開発した。ワクチンは4週間間隔で2回接種され、インドでの緊急使用が許可されている。その有効性は公表されていない。

 

Gamaleya Research Institute 

ロシア保健省のGamaleya研究所は、「スプートニクV」と呼ばれるコロナウイルスのワクチン候補を開発した。このワクチンには、2種類の一般的な風邪ウイルスやアデノウイルスが含まれているが、これらのウイルスは人間には感染しないように改変されている。改変されたウイルスには、コロナウイルスのスパイクタンパク質をコードする遺伝子が含まれている。ロシアは、臨床試験初期データからこのワクチンがCOVID-19の予防に91.4%以上有効であると発表した。(この臨床試験の詳細はまだ科学雑誌に発表されていない。) ロシアはすでにこのワクチンの限定使用を8月に承認しており、11月以降にベラルーシ、アルゼンチン、セルビアも緊急使用を許可している。

 

Vector Institute 

CNBCによると、ロシア生物学研究センターのVector研究所がウイルスに含まれるタンパク質のごく一部であるコロナウイルスのペプチドを含むワクチンを開発し、ロシア政府は2020年10月に2つ目のワクチンとして承認した。スプートニクVと同様、このワクチンは大規模臨床試験実施前にロシアで承認を得た。現在のところ有効性は不明である。

 

史上最大の予防接種キャンペーンが始まった。Bloombergが収集したデータによると、これまでに45カ国で3,240万回以上投与された。さらに数十億回分を輸送することは、これまでの物流上最大課題の1つである。

 引用文献:​

  1. Coronavirus Vaccine Tracker: The New York Times

  2. Global distribution of Covid-19 vaccine: Bloomberg

  3. Nicoletta Lanese. 13 Jan 2021. “Quick guide: COVID-19 vaccines in use and how they work” Live Science News.

  4. Christina Maxouris and Holly Yan. 13 Jan 2021. “The US just suffered its worst day ever for Covid-19 deaths. But this summer could be 'dramatically better'” CNN News.

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