ペンメッドがリジェネロン社とCOVID-19予防鼻腔スプレーを共同開発

2020年12月4日 最終更新 Cellspect Co., Ltd

​ 米ペンシルベニア大学の研究者らは、バイオ企業のリジェネロン社と共同で、COVID-19を予防する鼻腔スプレーの開発に取り組んでいる。リジェネロン社の抗体カクテル(カシリビマブとイムデビマブの併用)は、COVID-19の治療・予防目的で臨床研究され、先ごろ米FDAから緊急使用許可を受けた。この鼻腔スプレーは、リジェネロン社の抗体カクテルをアデノ随伴ウイルス (AAV) ベクターを介し鼻腔内に送達し、将来、ワクチンの補助薬として役立つ。​[1]

 このプロジェクトを率いているのは、遺伝子治療の先駆者でありペンシルベニア大学医学部遺伝子治療プログラムおよびオーファン病センタ所長のJames Wilson医学博士である。​彼と彼のチームは、リジェネロン社と協力し、抗体カクテル中のウイルス中和抗体の配列を直接鼻の上皮細胞に導入するためにAAVベクターを使用することの安全性と有効性を研究する。​今日まで、AAVベクターは、抗体を継続的に体内導入するための方法であることが示されているが、それは、治療抗体をコードするAAVゲノムが、導入された細胞核内において安定であるからである。​この新たな共同研究では、世界中で5000万人以上が感染し、現在までに125万人の命を奪った新型コロナウイルスと戦うために、AAVベクターの応用が試される。​[2]

 

 「AAVを適用する利点は、単回投与で、感染部位である鼻粘膜における抗体の持続的発現を達成できることである。従来のワクチンとは対照的に、抗体のAAV送達は、迅速な応答開始があり、被験者の経時的免疫系応答に依存しない。これら特徴の後者は、免疫系の機能が低下している高齢者などや、迅速な防御が必要な最前線の医療従事者などにとって、特に魅力的である」と、James Wilson氏は言う。​ [2]

 

 「リジェネロン社の研究者らは、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2の感染性阻害のためカシリビマブとイムデビマブを選択した。この破壊的で、時には壊滅的な疾患の終息のため、最先端の科学を駆使した研究を行い、AAVのような従来とは異なる送達メカニズムを研究し、まだ研究段階の治療法の潜在的なメリットを、世界中の多くの人々にお届けできるかもしれないことに興奮している」とリジェネロン社研究・感染症・ウイルスベクター技術担当副社長Christos Kyratsous博士は言う。​[2]

 Wilson教授とリジェネロンの共同研究は二段階に分けられる。​第一段階は、大規模動物モデル誘発試験においてAAVを介して送達された抗体の有効性の検証が含まれ、動物はAAVを介して抗体カクテルを与えられ、新規コロナウイルスに曝露される。​この研究が成功すれば、研究チームのFDAへの治験薬 (IND) 申請に必要な研究を完了できる。これはヒトを対象とした臨床試験を開始する前の必要なステップである。​[3]

 引用文献:​

  1. Mccadmin, 2 Dec 2020. “A nasal spray against the virus under investigation” The Courier news

  2. 1 Dec 2020. “Penn Medicine Collaborates with Regeneron to Investigate Delivery of COVID-19 Antibody Cocktail via Gene Therapy Platform” Penn Medicine News Release.

  3. 2 Dec 2020. “U.S. scientists developing nasal spray to prevent COVID-19” The Japan Times press.

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