SARS-CoV-2は「季節性ウイルス」になるかもしれないが、

まだそうではない

2020年9月18日最終更新 Cellspect Co., Ltd

 「Frontiers in Public Health」 に掲載された最新のレビュー記事によると、SARS-CoV-2ウイルスによって引き起こされるCOVID-19は、最終的にはインフルエンザのような季節性の疾患になる可能性があるが、それは集団免疫が成立した場合に限られるという。この知見は、COVID‐19が年間を通じアウトブレイクを引き起こし続けることを示唆し、ウイルスを制御するための公衆衛生対策に従うことが重要である。[1、2]

 多くの呼吸器系ウイルスは、特に温帯地域では季節のパターンに従う。例えば、通常インフルエンザは冬にピークを迎え、夏には減少する。かぜの原因となる特定のコロナウイルスについても同じことが言える。科学者たちは、なぜこれらのウイルスが季節的なパターンをたどるのかはわかっていないが、いくつかの要因が関与していると考えている。例えば、多くの呼吸器系ウイルスは、低温で湿度が低い環境では、より安定して長く空気中に留まることが研究から示唆されている。冬に屋内に集まるといった人間の行動も、感染を促進する可能性がある。[3] 

 これらの要因は、1年の中で異なる時期における呼吸器系疾患ウイルスの伝播に影響を及ぼす。このような季節性は、近年出現したNL63やHKU1といったコロナウイルスでも、インフルエンザと同様の循環パターンに従うことが報告されている。しかしながらCOVID‐19は、インフルエンザのような他の呼吸器疾患ウイルスと比較して、より高い感染率 (R0) を有している。COVID‐19の高いR0は、集団における、疾患に対する既存免疫の欠如に起因する可能性がある。したがって、R0が高いほど、季節的要因によってR0が1未満に下がることが難しくなる、と著者らは予測している。このことは、インフルエンザや他の呼吸器系疾患をおこすウイルスと異なり、ウイルスの季節性を支配する要因により、夏季にCOVID-19の拡散を止めることができないことを意味している。しかし、自然感染やワクチン接種で集団免疫が成立すれば、R0は大幅に低下し、季節的要因による影響を受けやすくなる。[4]

 「COVID-19ワクチンが手に入れば、感染拡大は抑えられるかもしれないが、ウイルスを完全に排除できるとは限らない。それは、ワクチンが100%効果的ではない可能性も高く、そのため感染が一部で依然として発生するからである。さらに、ワクチンによる防御力が時間とともに弱まることや、ウイルスの変異により免疫防御を回避することもある」と、著者らは述べている。このため、著者は、ウイルス伝播を制限するための厳格な制御対策を集団免疫が達成されるまで行うこと、の必要性を再度主張している。[1、2]

 人類がインフルエンザウイルスを理解し、それに対するワクチンを作るのに、1918年から1940年までの20年以上を費やした。SARS-CoV-2については、ゲノム、構造、感染方法、免疫応答などを短時間で明らかにし、抗ウイルス薬とワクチン候補を開発した。この新しいウイルスは、より短時間でより良い方法で制御できると考えられている。しかし、それでも人々はこのウイルスと共存する方法を学ぶ必要がある。

 引用文献:​

  1. Amani Audi et al. Sep 15, 2020. “Seasonality of Respiratory Viral Infections: Will COVID-19 Follow Suit?” Front. Public Health

  2. Rachael Rettner, Sep 15, 2020 “COVID-19 may become a seasonal virus” Live Science news.

  3. Jacques Demongeot et al. May 3, 2020 “Temperature Decreases Spread Parameters of the New Covid-19 Case Dynamics” Biology (Basel). 9(5): 94.

  4. Kristina Fiore et al. Sep 8, 2020 “When COVID-19 Really Is 'Just Another Flu'” Medical News and Free CME Online

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