COVID-19抗体検査:収束への道しるべとなるか?

2020年5月12日 Cellspect Co., Ltd

 一般的に、ウイルスの感染がどこまで広がっているのかを知り、正常な日常生活を取り戻すために、検査を強化することが重要だということが知られている。[1]

 COVID-19(新型コロナウイルスによる感染症)のパンデミックが広がる中、世界保健機関 (WHO) においても、「テスト、テスト、テスト、これが最も重要なメッセージだ」と世界に発信し、COVID-19の蔓延と闘うために、疑われる症例のすべてを検査するよう、すべての国に要請した。

 現在行われている、主たるCOVID-19の検査は、PCR検査と抗体検査である。[2] PCR検査は、現在ゴールドスタンダードな診断検査法である。一方、研究者や公衆衛生当局は、ウイルスにさらされた人々を発見するのに役立つ抗体検査(血清学的検査)の臨床データ取得にも着手しつつある。[3]

1.PCR法検査

 COVID-19 RT-PCR検査は、上気道・下気道から採取される検体(鼻咽頭拭い液、喀痰、肺胞洗浄液)中の、SARS-CoV-2由来遺伝子を検出する手法である。[2] 体内に存在するウイルスの遺伝子自体を検出するため、抗体の産生や、病気の症状が現れる前に、ウイルス感染の有無を早い段階で知ることができる。FDAは2020年3月27日付けで、PCR法を原理とするAbbott Diagnostics社製小型検査装置を承認した。[4]

2.  血清学的検査

 FDAの報告によると、SARS-CoV-2に対するIgM抗体は一般に感染後数日で血液中に検出されるが、病状の進行と抗体産生レベルの推移は十分に明らかにされていない。[5] 一方で、IgG抗体は一般に感染後10-14日で検出可能となるが、通常は感染開始後28日前後にピークに達する。[6] [7] 

より正確な、抗体産生に関する知見を集めるために、無症候またはCOVID-19から回復した症例に対する血清学的検査の需要が高まっている。この検査は、回復期血漿療法のための血漿スクリーニングにも役立ち、ワクチンの開発にも役立つ事が期待されている。

 以下に種々の抗体検査を示す。

 優れた検査とは、目的物質のみを検出し、その他の類似物質は検出しないという高い特異度と、微量の物質でも検出できる高い感度を両立するものである。

例えば、風邪の原因となる従来のコロナウイルスは、世界中に蔓延し存在しているが、特異度が低い抗体検査では、従来の風邪コロナウイルスに対する抗体が検出され、偽陽性となる可能性がある。また、感度が低い抗体検査では、抗体が産生された抗体が少量であった場合、抗体が検出されず、偽陰性となる可能性がある。このため、特異度と感度を適切に設定した抗体検査法を構築する必要がある。

 また、特異度と感度が適切な検査であっても、その検査プロトコルが不適切だと、誤った結果を招く危険がある。例えば、感染の事実から抗体を産生するまでには一定の時間がかかるため、感染患者の検査においても、検査タイミングが早すぎた場合、十分に抗体が産生されておらず、検査結果が陰性となる可能性がある。さらに、陽性もしくは陰性を判断するためのカットオフ値(しきい値)の設定が適切になされていないと、偽陽性もしくは偽陰性を誘発してしまう危険がある。このため、検査タイミング・カットオフ値も含めた包括的な検査プロトコルを構築する事がきわめて重要である。[8]

 

 抗体検査により明らかとなる、免疫獲得者(ウイルスと闘う抗体を持っている人)は、正常な生活への復帰への希望を抱くかもしれない。しかしWHOは4月24日の声明で、「現時点では、回復した人々が、この病気への抵抗性を有していることを確認する十分な証拠はない」と述べている。

 収束への道として期待されているものの一つが、集団免疫である。集団免疫とは、人口のうち一定割合の人がこの免疫を身に付けることにより、ウイルスの新規感染ができなくなり、自然に収束に向かうものである。このため、感染者数及び免疫獲得者数を把握することは、このパンデミックがいつ収束するかを理解するための重要な情報となる。研究者らの推定によると、集団免疫を獲得するには集団の約1/3-2/3がCOVID-19に感染し、免疫を獲得する必要がある。しかしながら、COVID-19の致死率は2%と決して低いとはいえず、より安全に、人工的に集団免疫を形成する方法として、ワクチンの接種が切望されている。人々は皆、ウイルスとの戦いが早期に収束することを心から願っている。

引用文献:

  1. World Health Organization: WHO: www.who.int

  2. "Developing Antibodies and Antigens for COVID-19 Diagnostics". Technology Networks. 6 April 2020. Retrieved 30 April 2020.

  3. "How is the COVID-19 Virus Detected using Real Time RT-PCR?". IAEA. 27 March 2020. Retrieved 5 May 2020.

  4. "Letter from FDA". FDA. 27 March 2020. Retrieved 2 April2020.

  5. "Cellex Emergency Use Authorization". FDA. 1 April 2020. Retrieved 10 April 2020.

  6. "Will an Antibody Test Allow Us to Go Back to School or Work?". New York Times. 10 April 2020. Retrieved 15 April2020.

  7. "Mount Sinai Emergency Use Authorization". FDA. 15 April 2020. Retrieved 18 April 2020.

  8. "Study Raises Questions About False Negatives From Quick COVID-19 Test". NPR. 21 April 2020. Retrieved 1 May 2020.

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