デジタル技術でCOVID-19に立ち向かえ:ビッグデータとAI

2020年5月22日 Cellspect Co., Ltd

 COVID-19に立ち向かうための技術提携をAppleとGoogleが発表し、接触者追跡に関するアプリの提供を2020年5月20日に開始した。これは、この危機に立ち向かうために実現した、米国の技術大手2社による前例のない動きである。[1、2]

 

 COVID-19との戦いにおいて、病院等の医療機関は最前線の戦場であり、医療機器・治療薬は最も重要な武器である。しかしながら、COVID-19の感染防止策が進むにつれ、AIやITといったデジタル技術がこの疾患に対する強力な武器となることが明らかとなった。ビッグデータをモニタリングして予測を行うことが可能な人工知能 (AI) は、第4次産業革命の重要な推進力と考えられており、未知の流行病の発生に対しても、 AIの予測機能はあらゆる面で大きな助けとなることが期待されている。本記事は、デジタル技術によってもたらされる、いくつかの重要なソリューションを要約する。

 

• 注意喚起と予防

 この疾病の制御と予防のためには、パンデミック発生の正確な予測が重要である。一例を挙げれば、カナダの健康モニタリング・プラットフォームであるBlueDotが、米国疾病管理センター (CDC) の警告よりも早い12月31日時点で、顧客にアウトブレイクの警告を行ったと《Wired》が報じている。BlueDotは自然言語処理と機械学習の技術を用い、ニュース記事、動植物疾病ネットワーク、公的発表を65の言語でふるいにかける。特にBlueDotは、病気の発生に対する消費者の不安と実際に密接に関係している航空券価格といった一見無関係と思えるデータも監視した。BlueDotは、武漢市に続き、新たな11都市の感染発生を予測した。[3]

• 医療補助

 

 初期患者の胸部X線コンピュータ断層撮影 (CT) にスリガラス陰影 (GGO)が現れることを、多くの医師は見出している。そのため、 COVID‐19検査に加え、胸部CT画像をAIに分析させることは、誤診と医師の負担を減らすために有効である。また、AIやビッグデータは、病院の収容能力、医薬品の流通、病歴による患者の識別など、医療資源の計画にも重要な役割を果たしている。例えば、いくつかのウェブサイトは、各国・地域におけるCOVID-19症例数、入院者数、死亡者数のデータを記載している。これらの公開データにより、専門家と政策立案者が医療資源への影響を定量化することができ、今後の医療資源需要レベルの予測を可能とする。[4]

 

• ロボット技術

 

 今日の進化したロボットプラットフォームは、センサからの大量のデータとAI予測アルゴリズムからのオペレーションにより実現されている。この世界的流行において、ロボットは汚染環境と人間の接触を最小化するのに最適である。Boston Dynamics、Akara Robotics、UBTECH Robotics、CloudMindsなどの企業が、この戦いの最前線でロボットを導入し、患者の健康状態の評価、病院の消毒、医療従事者への保護具 (PPE) の支給を支援している。ロボット・ドローンは血液やその他のテストサンプルの輸送にも利用されている。例えば、ノースカロライナ州のWakeMed病院は、UPSが運営するMatternetドローンを使った、米国連邦航空局に認可済の最初のドローンによる輸送プログラムを開始した。日本のTerra Droneも、被害の大きかった中国の武漢で同様のサービスを実施した。[5]

• 社会的支援

 

 AppleとGoogleにより共同開発された接触者追跡警告アプリに先駆けて、シンガポール、台湾、韓国、イスラエルなどでは、一般市民の携帯電話データを使用して、接触者の追跡を実施している。これらのアプリは、プライバシーに関するいくつかの懸念を引き起こしたが、前述の国々でウイルスの大幅拡散阻止に大いに貢献し、人命を救うための戦いにおいて、効果的かつ必要なツールとして広く認識されている。米国や中国でも、マスクをつけた人の顔を識別するシステムが相次いで開発されている。一部のアプリは、人数、人(頭)との距離、密度を計算し、適切なソーシャルディスタンスを提示する。ジョンズホプキンス大学では、世界的な事例、人の流れ、交通の流れ、物流などのあらゆる種類のビッグデータを統合して可視化し、変化をリアルタイムでモニタリングし、感染症専門家に対しウイルス伝播経路を効果的に分析予測するためのデータを提供している。[3、4、5]

 

• 学術研究

 

 AIによるDNA (RNA) マッピングと3 D構造シミュレーションは、革新的な治療とワクチン開発を加速させている。グラフェン社は、世界各国のCOVID-19ウイルスの遺伝子配列をまとめ、世界初の遺伝子進化経路解析サイトを開設し、研究者やメーカがウイルスの進化過程を理解できるよう支援している。[6]

 

 以上、AIとビッグデータを使用したCOVID-19との戦いについて、いくつかの事例を示した。もちろん、AI、ビッグデータ、 5 Gなどのデジタル技術は万能ではないが、デジタル技術と様々な産業との融合は、今まさに進行中の新しい産業革命であり、将来のライフスタイルを包括的に変えていくと考えられる。

 引用文献:

 1. Apple Newsroom (https://www.apple.com/)

 2. Leo Kelion, 20 May, “Apple and Google release marks 'watershed moment' for contact-tracing apps”, BBC NEWS.

 3. Eric Niiler,25 Jan 2020, “An AI Epidemiologist Sent the First Warnings of the Wuhan Virus”, Wired.

 4. Soumya Sen, 11 May, “How data, analytics, and technology are helping us fight COVID-19”, MINNPOST.

 5. Ajit Manocha and Pushkar P. Apte, 12 May, “Fighting the COVID-19 Pandemic with Big Data-AI Enabled Platforms”, SEMI Tech Spotlight

 6. Graphen - Monitoring COVID-19 (http://www.graphen.ai/covid.html)

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