検査物資が限られた状況下におけるCOVID-19検査の

新規戦略 : プールテスト

2020年7月10日最終更新 Cellspect Co., Ltd

 日本政府はほとんどの学校と経済活動を再開させたが、世界的にはCOVID-19の流行は拡大しており、未だ収束は見えていない。     

 

 全体的な数では、アフリカは現在、世界の全症例のわずかな割合を占めるにすぎないが、いくつかの国で感染率が上昇しており、この地域の保健当局にとって懸念が高まっている。7月8日までにアフリカ全土で確認されたCOVID-19の患者数は50万人を超えた。「アフリカ諸国の3分の1以上が、この1カ月で感染者数を倍増させており、保健システムが非常に脆弱であることもあわせて、COVID-19の脅威が増大している」と、WHOアフリカ局長のDr. Matshidiso Moeti氏は述べている。アフリカ54カ国は、ウイルス検査用材料の深刻な不足に直面しており、13億人の人口のうち、実際にどれだけの患者が発生したかは判明していない。[1, 2]

 

 ルワンダでは、テストを大幅に効率化するにはどのようにしたらよいのか検討している。この試みの一つとして、テストを必要とする何百万もの全ての人を個別にテストするのではなく、プールテスト(グループテストとも呼ばれる)という別の戦略を採用した。プールテストは、数人の検体を1本の試験管にまとめ、分子生物学的検出法を用いて一度に検査するものである。プール検査の結果が陰性であれば、プールされた検体の全ての患者はCOVID-19を有していないと判定される。プール検査の結果が陽性であれば、追加で各患者検体を個別に再検査する。[3]

 

 プールテスト手法は、1943年にハーバード大学の経済学者ロバート・ドーフマンにより開発され、第二次世界大戦中にアメリカ軍が梅毒の検査に使用し、その後、性感染症、マラリア、血液バンクの検査にも使用されている。[3]

 

 プールテスト戦略は、特にテストの可用性と財源が限られている場合に魅力的である。SARS-CoV-2の検査に使用される検出試薬・機器は高価であり、ほとんどの国では30~100ドルの検査費用が必要である。例えば、10~30のサンプルをプールすることにより、多くの資源を節約することができる。また、SARS-CoV-2試験はかなり複雑な分子生物学的アプローチのために時間がかかる。したがって、複数のサンプルを組み合わせることにより、20個のサンプルをプールする際のターンアラウンドタイムを大幅に短縮することができる。プール検査のもう1つの利点は、無症状の人を検出できることであり、これは早期管理につながり、ウイルス伝播の連鎖を断ち切ることができる。プール検査では多くの人を検査することができるので、疫学的データのプロフィールをより明確に把握することができる。[3, 4]

 

 プールテストの欠点は、検査感度が低下する可能性があることである。例えば、最近感染した患者はウイルス量が少ない傾向があり、検体を混合することによる希釈効果のため、陽性例を見逃す可能性がある。しかしながら、偽陰性は、SARS-CoV-2検査に用いられる、どのPCRベースの検査でも起こりうる。[3, 4]

 

 資源不足が起きているのは、アフリカだけではない。米国では、300万人以上の新型コロナウイルス症例が確認されたところであり、PPE (保護具) の欠如、検査の遅れ、十分な濃厚接触者健診の欠如など、パンデミックの初期から依然として同じ問題に直面している。「プールテストによって1日50万回の検査をすることで、1日500万人の検査対応が可能になります」と、ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策チームのDr. Deborah Birxは述べた。米国食品医薬品局 (FDA) は6月16日に、試験研究者向けに、プールされた試料に関するプロトコル設計と承認のためのガイダンスを公表した。[5]

 

 最近イスラエルで実施された試験では、Covid-19のプールテストでは、少なくとも32名の鼻ぬぐい液検体のプールを、感度や真の陽性を正確に識別する能力を損なうことなく評価できることが示された。しかし、米国の保健当局はより少ない人数のプールテストについて検討している。保健社会福祉省のBrett Giroir副長官は6月23日の記者会見で「一回の“プールした”試料としては、5~10名の試料で検査すべき」と述べた。一般的に、検査対象の人々の間で、この疾患の有病率が高いほど、プールする患者の数は少なくしなければならないと言える。[6, 7]

 

 この方法は特定のシナリオでしか機能しないが、テスト開発研究者がこれらの制限を認識している限り、プール検査は、制御不能になる前にアウトブレイクを見つけるための効果的な戦略となり得る。特に、プール検査は、医療従事者、介護施設居住者および刑務所などの集団を含む、脆弱な地域におけるウイルス伝播の制御に役立つ可能性がある。そのため、定期的に人々を検査することで、安全に活動を継続したい学校、組織、職場のための重要なツールになる可能性がある。

 引用文献:

 1.  World Health Organization: WHO: www.who.int

 2.  Peter Mwai and Christopher Giles. July 8, 2020. “Coronavirus: How fast is it spreading in Africa?” BBC press.

 3.  “Rwanda's COVID-19 Pool Testing - a Savvy Option Where There's Low Viral Prevalence” July 3, 2020. AllAfrica Global 

      Media (allAfrica.com).

 4.  James Dzansi “Ramping up early detection of COVID-19 with limited resources: The role of pool testing” 22 June, 2020.

      International Growth Center Press.

 5.  FDA STATEMENT: Coronavirus (COVID-19) Update: Facilitating Diagnostic Test Availability for Asymptomatic Testing and

      Sample Pooling. June 16, 2020

 6.  Idan Yelin et al. May 2020, “Evaluation of COVID-19 RT-qPCR test in multi-sample pools” Clinical Infectious Diseases.

      ciaa531, https://doi.org/10.1093/cid/ciaa531

 7.  Jason Hanna, Jul 6, 2020 “Here's what pooled testing is and how it can be used for the coronavirus” CNN press.

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